Total Treatment Centerのつぶやき「看脚下」

京都市下京区の鍼灸院が日々で感じたこと思うことを呟いているブログです。

知らなかった

2020年3月18日(水) 9時〜19時

 

おはようございます

昨日とはうってかわってヌルい朝。

振り回されてるけど、そこまで調子は悪くない。

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スリリングな一冊でした。

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【新養生訓 健康本のテイスティング】(丸善出版)

 

岩田健太郎医師と岩永直子氏の対談本で、ほぼ岩田医師の独壇場となっているが、健康にハウツーがないことをきちんと語ってくれている希有な本。

エビデンスは常に更新されているから、過去のデータがそのまま今にいいとは限らないし、かと言って今のデータがこの先もいいとは限らない。

何よりも、過去にわかったこと、今わかっていること、これからわかっていくこと、そして「まだわからないこと」が明確に書かれているかどうかは読めるように、見極められるように、受け取る側に求められている。

そんなん言われても…という思いもあったが、出版社はまず売れることが目的となっているのでどうしても印象に残る、それこそハウツーになってしまうようです。

簡単なことほど思考停止にさせられますから、頷くことがあったら一度疑うこと。

 

というのも、そもそも頷くようなタイトルを選んでいる可能性があるから。

自分の視点思考を固めるために、外壁強化するようになっていないか問うてみる。

タイトルや表紙で敬遠している本に思考が揺さぶられることがあるかも知れないので。

 

本を読むといつも思うのは頷くことと疑うこととあり、読む前と後では自分の世界の狭さがほんの少し広がる。

知っていることよりも知らなかったことが多いからですが、それは異分野を読んでいるから当然ちゃ当然なんですけどね。

読み手の知らないことを教えてくれるよりも、「知っていることを修正」してくれる本に出逢ったときは余韻が長い。

 

この本を読んで最初に飛び込んできたのは【EBM (Evidence Based Medicien)】にとらわれている人がいるということ。

例え話として「煽り運転があるから、自動車がいけない」という論理の飛躍があると。

そういう人のEBMは【Evidence Biased Medicine】になっている。

本来は「煽り運転は、煽り運転の問題」であって、「自動車の問題」ではない。

よって、EBMに同意しない患者さんを冷たくあしらうというのは間違った使い方で運用しているとのこと。

 

さて、何がどう間違っているのか。

確かエビデンスは科学的根拠に基づく医療だったはず。

どうやらこれは"ただの和訳"にすぎないと岩田医師。

ではそれはなんなのか。

 

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「良心かつ実直で、慎重な態度を用い、現段階で最良のエビデンスを用いて個々の患者のケアにおいて意思決定を行うこと。それは個々の臨床的な専門性と、系統だった検索で見つけた最良の入手可能な外的臨床エビデンス(the best available external clinical evidence)の統合を意味している」と定義しています。best available…手に入るかぎり、もっともよいものを活用して、個々の臨床医の専門能力と組み合わせて意思決定するのです。

ーーーーーーーーーーーーーーー(本文33〜34項より引用)

 

あとがきで岩永氏が記しているように、【EBMの本質は『ここの患者』、すなわち『目の前の患者』なんです】ということ。

医は仁術ではないですが、患者にどう向き合っているかを問う言葉としてもEBMは大切だなと。

ただここに感情があったとしても介入してはならないということは踏まえておかなければならない。

エビデンスに対して感情を持ち出すと落とし所がなくただただ平行線を辿り、最悪の場合は否定しあってしまう。

目的を見失ってはならない。

 

科学は否定し合うのではなく、間違えがあれば認め、修正することができる。

印象が悪いわけではないが、良いわけでもないけど、付き合ってみたら変わっていくのと同じ。

むしろ変わる余地があるのは、それだけ知っていることも知らないことも深まるということやし。

 

感情がないわけではなく、感情を持ち込みすぎないように、でも排除してしまわないように。

医療に限らず、知らないことを知らないと知っていることから始まると、改めて思った読後感。

(ん?これはやっぱり外壁を強固にする選書になってる?)

 

それでは、本日も反省と学びを反芻しながら始動!

 

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講座のお知らせ

 

3月27日(金)

ショヒモトレ

@武田双鳳 書法道場 京都

https://ws.formzu.net/fgen/S27731131/

 

4月12日(日)

とりあえず身体に訊いてみよ

TC academy

http://tcacademy.jp/blog-entry-647.html

 

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